介護職へのクレームにはさまざなものがあるのだが、処遇面でのクレームで起こりやすいのは、言葉遣いなどの接遇に関すること、対応の遅れの二種類である。
施設では、家族が面会に訪れる場面があるが、介護職が挨拶もろくにせずに、利用者に偉そうな態度をとって介護にあたる姿を目の当たりにしたら、どう感じるかを考えることは大事である。
こうしたことは、面会に来ていない場面で、どんな扱いを受けているのかを不安を抱かせてしまうことにつながり兼ねない。
しかし、家族はあからさまな虐待ではなく、不適切な接遇に関してはなかなか言葉にだして言えないものだ。
文句があるなら出ていってくださいといわれるのを恐れているからである。
実際には、そんなことを言う介護事務所はほとんどないに等しいが、家族としては、本当は自宅で介護しないといけない、自分で介護しないといけないのにやってもらっているという感じに捉えている人も多い。
また、中には、人質に取られているようなものと表現する人もいるのだ。
そうした中で、面会に来た時に不適切な接遇を見かけるとそこからどんどん不信感がつのってしまう。
その不信感が影響で、たとえば、少し傷ができたことを説明すると、虐待を受けているのではないかという思いにかられて、クレームへとつながっていくのだ。
また、対応の遅れについても、面会時に家族から爪が伸びているので切っておいてほしいといわれたにも関わらず、次の面会時もそのままであれば、これもまた不信感が募り、クレームへとつながっていくだろう。
介護職は対利用者だけでなく、その家族とも付き合っていかなくてはならない。
良好な関係を築けるように、接遇や仕事内容に関して見直していくことは大事だ。